パラリンピック

いよいよ冬季パラリンピックが始まる。
 
平和な戦いはスポーツの世界にしか存在しないような昨今。ドーピング問題も大きく取り上げられ、人間はどんな手段を使っても強くなり、世界一になりたいのか。なんだか、政治家たちの戦いのようになってしまう。
せめてフェアに出せる力の限り戦ってほしいと思う。
 
障害者の大会というと、いつも中学生の頃の自分の体験を思い出す。
小中高とスキーにのめり込んでいた私は、とあるスキー場のインストラクターをしている方に個人的に教えてもらえることになった。その方のホームグランドのスキー場に連れて行ったもらったときの話。
 
その方の友達もちょうど同じゲレンデにおり、頂上付近で待ち合わせをしていました。
私の目の前に現れた方は、なんと片足が無い。通常、パラリンピック等の大会では、アウトリガーと呼ばれるストックの先に短いスキーのようなものをつけて滑るのがルール(?)となっている。
その方も大会等に出るときは、アウトリガーを使うと言っていたが、普段は普通のストックを使う。
仕事での事故で片足を失ったそうで、健常の時からスキーはやっていたらしい。
「スキーの板が折れてもスペアがあるから」と笑いながらコブの急斜面を何ら気にする様子もなく綺麗なフォームで降りて行ってしまった。
その姿が今でも焼き付いている。
片足を失ってからどれだけのリハビリをして、どれくらい努力をすればここまでになるのか。人間の持つ本当のポテンシャルは努力と精神力でどれだけそれを引きだせるのか。
私にしてみれば想像すらできない。
そこに私は感動し、賞賛を惜しまない。
人それぞれが持つであろう能力は困難なことに出会ったときにそれを乗り越えるために発揮され、それを発動する精神力が備わっているのかもしれない。
つまらない戦いのため、自分本位な欲望を満たすためにエネルギーを使うのは愚の骨頂以外の何物でもない。
ウクライナを攻めるプーチン・ロシア。パラリンピックを見て人間の本質とは何か知りなさい。
人のものを奪うことは武力でできたとしても、心は奪えないことを知りなさい。
世界はあなたの力では動きません。