恐怖のFWi-Fiアクセスポイント

だいぶ以前の話だが、ふと思い出した。

 

当時システム開発を担当した、とある納品先現場での出来事。

システムは無事納品され、その後しばらくは順調に稼働していた。

商品のピッキングシステムでピッキングカードに大型バッテリーを搭載してノートPCを利用してシステムを運用していた。

当然、ノートPCにプログラムは無線LAN経由でサーバから受注状況・ピッキング状況をリアルタムで更新し、常に担当者は受注の古いものから受注された商品を棚に取りに行く。棚から取り出した商品のバーコードを読み取って「受注された商品か」をチェックし、リアルタイムに在庫を変動させる。

 

そんなシステムの正式運用を開始して数ヶ月のある日、無線LANが時々切れてしまい、ピッキングしたはずが、やり直しになってしまうというのだ。さして広くは無いフロアで無線LANの電波が届かないはずが無い。また商品棚は部屋の2面を埋めた形でしゃへい物も無い。

無線LANの電波状況をチェックするソフトウェアを使い、しばらく現場で電波状況を確認することになった。

すると、夕方頃になると、やたらアクセスポイントが増えることがわかった。隣接した建物のフロアや上下階のフロアに設置されたアクセスポイントが次々に検知されたのだ。おそらく、フロアにいる人が減って電波の到達距離が長くなったことによる混線では無いかと予想した。

それまで窓際に置いたアプセスポイントの設置位置をできる限り隣接する建物から離れた場所に設置し、フロアの電波強度が一定になるように調整した。

そして、そんな事故もしばらく無く、ほっとしていた矢先。以前と同様に突然無線LANが切れると言うのだ。

原因がわからず、とりあえず電場強度が強く、速度の出る最新モデルのWi-Fiに交換し様子を見てもらうことにした。

それからも時々無線LANとの接続が切れるという報告をもらい頭を抱えた。

原因がわからない。改善策が見つからない。

しばらくは無線LANが切れるタイミングの報告をしてもらうことで原因の糸口を探ることにした。

すると、無線LANが切れるのはお昼頃に集中していることがわかった。しかし、昼頃という時間帯で何がわかるというのだ。

無線LANの問題では無く、ネットワーク自体がどこかで切れるのではないかいと、LAN機器を全て交換し、配線も全てはり直した。

しかし、あいからわず12:00から14:00の間、頻繁に「無線LAN」が切れる。隣の部屋で受注入力をしている端末では何ら障害は起きない。

半年以上現場通いが続く。

Wi-Fiアクセスポイントを交換。位置の調整。時間は昼時。皆が見守る中、テストを実施する。何も起きない。の繰り返しである。

 

改めて、入り口からピッキングを行う倉庫。受注入力を行うフロアをネットワーク機器の状況を見ながら歩き回る。

受注入力を行う端末が並んだ机の一番奥。倉庫と薄いパーテーションで仕切られた端にあるものを発見した。

何だこれは!

責任者に聞いてみる「これ、使ってます?」

同然のように答える「使ってるわよ」スタッフ全員女性である。

「お弁当とかチンします?」

「みんなしてるわよ。何のために置いてあると思ってるの」

 

その後、部屋の反対側。倉庫のアクセスポイントから一番遠い位置に鎮座し、彼女達に暖かいお昼ご飯を提供している。

 

本気でお祓いまで考えていた私はエンジニア失格である。